エルサルバドルでは、2022年の⚪︎人件数は496件となり、前年の1,147件から56.8%の減少が見られました。
この輝かしい大成功の背景には、政府による逮捕状なしで疑わしい人物を逮捕できる法律の施行があります。この措置により、2025年1月29日までに84,200人以上が逮捕されました。
真面目に暮らしている方からすれば頼りになる限りですが、手放しで正義だと喜べるのでしょうか?
目次
エルサルバドルの犯罪撲滅政策とは
- 2022年3月27日、エルサルバドル政府は「例外措置体制」を導入し、逮捕状なしで疑わしい人物を逮捕できる法律を施行しました。
- これにより、2025年1月までに84,200人以上が逮捕されました。
- 政府は、ギャング壊滅を目的とした措置であり、国民の安全を最優先にしていると主張しています。
- 一方で、人権団体や国際機関からは「裁判を受ける権利の侵害」だと批判されています。
犯罪率は大幅に改善
- エルサルバドルの⚪︎人発生率は劇的に減少しました。
- 2015年には、人口10万人あたり105人だった⚪︎人率が、2024年には1.9人まで低下しました。
- この結果、エルサルバドルは「中南米で最も危険な国」から「治安が劇的に改善された国」と評価されています。
- 観光業の回復も進んでおり、治安の向上は経済成長にも貢献しています。
逮捕状なしの逮捕が生む問題
- 「例外措置体制」では、証拠がなくても逮捕が可能となりました。
- 一度逮捕されると、公判を受ける前に長期間拘束されるケースが多発しています。
- 家族や友人がギャング関係者だっただけで逮捕される事例も報告されています。
- 裁判所の機能が低下し、司法の独立性が揺らいでいるとの指摘があります。
- 国際人権団体は「法の支配を崩壊させる危険がある」と警告しています。
過去にも失敗した強硬策
- 2012年にも政府とギャングが停戦協定を結び、犯罪率は一時的に低下しました。
- しかし、その後の停戦崩壊により、ギャングがより強大化し、暴力が再燃しました。
- 短期的な治安改善に成功しても、長期的には別の問題が発生する可能性があると専門家は指摘しています。
- 根本的な解決には、教育や雇用の改善といった社会政策の強化が必要です。
まとめ:この手法は正義なのか?
- エルサルバドルの犯罪撲滅政策は、確かに治安を劇的に改善しました。
- しかし、逮捕状なしでの大量逮捕が正義と言えるのか? という問題は残ります。
- 治安の向上と基本的人権の尊重のバランスをどう取るべきか、考えさせられる事例です。
- 一時的な成功にとどまらず、根本的な解決策が求められています。