米の値段が上がり、お財布が苦しいと感じることが増えた昨今。
「米の価格が上昇しているのだから、米農家はさぞ儲かっているのでは?」と思うかもしれません。
しかし、実際には 米農家の時給はわずか97円 という驚きの調査結果があります。
食料は国の基盤です。しかし、このまま米農家の倒産が進めば、日本の食の未来はどうなってしまうのでしょうか?
本記事では、お米を取り巻く厳しい実態に迫ります。
参考
- 米農家の「時給」、23年は97円 農水省・農業経営統計調査から試算 深刻な実態続く
- 米農家の倒産・廃業 24年 進まぬ価格転嫁、経営圧迫
- コメ農家はみんな赤字なの?食料安全保障と農業のキホンの「キ」(3)
- JA農協&農水省がいる限り「お米の値段」はどんどん上がる… | キヤノングローバル戦略研究所
目次
日本の米農家の収入の実態
- 2023年の米農家の時給は わずか97円(主業経営体でも892円)。
- 農業所得は 平均9.7万円(主業経営体では269.6万円)。
- 95%の米農家が赤字、半数が所得ベースでも赤字経営。
米農家の倒産・廃業が過去最多
- 2024年の倒産・廃業件数は 42件(前年の35件を上回り過去最多)。
- 負債1000万円以上の倒産は 6件、休廃業は 36件。
- 収益悪化・高齢化が主な要因。
なぜ米の価格が上がっても農家の収入は増えないのか?
① 生産コストの上昇
- 肥料・農薬・燃料などの価格が 高騰。
- 2024年、米の価格は前年比 17%上昇 → しかしコスト増で利益は減少。
② 減反政策の影響
- 政府の減反政策により 生産量が制限 される。
- 供給が減るため価格は上がるが、農家の収入は安定しない。
③ 高齢化と後継者不足
- 農家の平均年齢が上昇(経営の効率化が進まない)。
- 若い世代の参入が少なく、技術革新や大規模化が難しい。
④ 市場の競争と価格設定の問題
- 米の流通・販売は 流通業者や小売業者が主導。
- 農家は価格交渉力が弱く、収益の多くを流通業者が確保。
⑤ 需要と供給の不均衡
- 2023年の猛暑で 米の収穫量が減少 → 価格は上がるが収入増には直結せず。
- 需要が増えても、生産を増やせる仕組みが整っていない。
日本の米農家が生き残るためには?
- 生産コストを抑える技術革新(スマート農業の導入)。
- 直接販売の強化(ECサイト・ふるさと納税などで中間業者を省く)。
- ブランド米の開発と差別化(高付加価値の米で価格競争を回避)。
- 政府の支援策の見直し(減反政策の撤廃・農業補助金の改革)。
まとめ
- 日本の米農家は 低収入・高コスト・市場構造の問題 に直面。
- 米価上昇は 必ずしも農家の収入増にはつながらない。
- 新たな販売戦略・経営改善・政策改革 が必要不可欠。